【篠原京大塾】2022年度「化学」京都大学過去問解説 - 質問解決D.B.(データベース)

【篠原京大塾】2022年度「化学」京都大学過去問解説

問題文全文(内容文):
化学問題 I
大1
次の文章(a)、(b)を読み、問1~問6に答えよ。解答はそれぞれ所定の解答欄に記入 せよ。問題文中のLはリットルを表す。原子量は、 H = 1 O = 16 Ca = 40 Cr = 52 Sr = 88 Ba = 137 + 9 。[X]は、物質Xのモル濃度を示し、単位は mol/Lである。

(a) 周期表の2族に属する元素は、すべて金属元素である。2族元素の原子は価電子 を2個もち、価電子を放出して二価の陽イオンになりやすい。これらの単体は、同 じ周期の1族に属する元素の単体に比べて、融点が【ア (高く・低く)】、密度が【 イ( 大きい・小さい)】

2族元素のうち、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、ラジウムは特に性質 がよく似ており、 【ウ】 と呼ばれる。 【ウ】は、イオン化傾向が大きく、 その単体は、常温で水と反応して、気体の 【工 】を発生し、水酸化物になる。

表1は、水酸化カルシウム、水酸化ストロンチウム、水酸化バリウムの、各温度 での水への溶解度を示している。これら3つの水酸化物を温水にいれ、冷却したと きに何が起こるかを見てみよう。なお、この実験において、空気中の二酸化炭素の 水溶液への溶解や、水溶液からの水分の蒸発は無視できるものとする。

大2問問1
0. 10 L の緩衝液(pH 4.0) に n (mol〕の弱酸 HA が溶解した水溶液を分液ろうと に入れ、さらに0.10Lのトルエンを加え、よく振り混ぜたあと300Kで十分な 時間静置した。トルエン層と水層を分離し、トルエン層に移動したHAの物質 量(a[mol])を測定した。その結果から、水層中のHAおよびA¯の総物質量 (b(mol) = n-a)を求めた

大2問問2
水とトルエンはまったく混ざらないものとし、溶質の溶解による溶液の体積変化は無視できるとする。また、トルエン層中ではHAは電離せず、水層中での 会合も起きないとする。さらに、水層中で電離したイオンA-およびH+はトル エン層に移動せず、同様に二量体は水層へ移動しないとする。pH 4.0の水層中 における電離していないHAの濃度を [HA]wとずると、水層中のA-の濃度は [A-]w【ア】 = × [HA]wと表せる。また、トルエン層における単量体として のHAの濃度を [HA]tとすると、二量体(HA)2の濃度は [(HA)²]t= 【イ】 と 表せる。したがって下線部の実験により得られたHAの物質量aとbの比は以下 の式(3)により表せる。

a/b=【ウ】 (3)

電離していない HAの単量体はトルエン層と水層の間を移動する。移動が平衡 に達したとき、両層間の濃度比、すなわち分配係数は定温におい P HA = [HA] t /[HA] w は定温においてて一定となる。PHAを用いて式(3)を整理すると式(4)の関係が得られる。

a/b=0.8PHA+【エ】×KCPHA²[HA]W (4)

水層中のHA およびA-のうち、 【オ】 %がHAとして存在することから、 式(4)は式(5)のように表せる。

a/b= 0.8 PHA +【カ】× KOPHA²b  (5)

大2問問3
様々な物質量のHAに対して下線部の操作を行ったときの、物質量bと物質量比a/bの関係を図2に示した。図中の●は各測定によって得られた実験値 を表す。トルエン層と水層の間におけるHAの分配係数 P HA の値を答えよ。

大2問問4
以下の文章は、下線部の操作を緩衝液の代わりに純水を用いてHAの濃度 を変えた実験について述べたものである。 【キ】~【ケ】に適切な語句を、{ }の中からそれぞれ選択し答えよ。 ~

水層中では、弱酸 HAの濃度増加により、HAの電離度は 【キ (大きくな る・小さくなる・変化しない)】。また、トルエン層中ではHAの濃度増加に より、HAの会合度(トルエン層に溶解したすべての分子 HAの数に対する二 量体を形成した分子HAの数の割合)は、【 ク (大きくなる・小さくなる・ 変化しない)】。したがって、分液操作前のHAの物質量の増加により、 a/bの値は【ケ(大きくなる・小さくなる・変化しない)】

大2問問5
(b) 塩化ナトリウム (NaCl)を純水に溶解し、1.00Lの濃度x (mol/L)の希薄溶液を調製した。図3に示すように、上部が開いた管内部の断面積が4.0cm²のU字管の 底部に水だけを通す半透膜を設置した。大気圧下で、調製した NaCl 水溶液から 100mLを左側の管に、100mLの純水を右側の管に入れた。温度300Kにおいて、 U字管に NaCl 水溶液および純水を入れた直後は、水面の高さは同じであった。そ の後、右の純水側から左の水溶液側に水が流入し、水面の高さが変化し始めた。変 化が止まった際の水面の高さの差は5.0cmであった。そのとき、移動した水の体 積は 【コ】 cmである。ここで、水溶液の密度は純水のそれと等しいとし、高 さ1.0cmの水柱の圧力は100 Paとする。

大2問問7
次の条件のみを変えた場合、水面の高さの差は条件を変える前(5.0cm)と
比べてどのように変化するか、(あ)~(う)から選び、その記号を記入せよ。

(i) 温度を上げた場合

(あ) 短くなる (い) 変化しない (う) 長くなる

(ii) U字管の断面積を大きくした場合

(あ) 短くなる (い) 変化しない (う) 長くなる

(ⅲ) 等量のショ糖を水溶液と純水にそれぞれさらに添加した場合

(あ) 短くなる (い) 変化しない (う) 長くなる

大3問問1
次の文章(a)、(b)を読み、問1~問6に答えよ。解答はそれぞれ所定の解答欄に記入 せよ。構造式は、記入例および図1、図2にならって記せ。

(a) 図1に示すように、テレフタル酸ジクロリドとp-カーフェニレンジアミンを用いた 縮合重合により、強度や耐熱性に優れた合成繊維が得られる。一般にこのような芳 香族ポリアミド系合成繊維は 【ア】繊維と呼ばれ、防弾チョッキや防火服に用 いられている。

テレフタル酸ジクロリドのような、カルボニル基に塩素原子が結合した構造 (-CO-C1)をもつ化合物を酸クロリドと呼ぶ。また、アミノ基(-NH₃)をもつ化 合物を第一級アミンと呼ぶ。酸クロリドは第一級アミンと速やかに反応し、 【イ】 の生成を伴ってアミド結合を形成することから、さまざまな低分子化合 物の合成にも用いられる(図2)。

大3問問2 アミンAおよび酸クロリドDの構造式をそれぞれ記せ。

大3問問3 アミンBとして考えられる構造式をすべて記せ。

大3問問4 アミンCの構造式を記せ。ただし、鏡像異性体は区別しない

(b) 分子内に-CO-C1を2つもつ化合物を酸ジクロリドと呼ぶ。第一級アミンF と酸ジクロリドGを反応させると、アミド結合を2つもち、分子式 C8H16N2O2で 表される化合物Hが得られた。化合物Hを部分的に加水分解することで、アミン Fと、1つのアミド結合と1つのカルボキシ基をもつ化合物が得られた。化合物 「とフェノールを用いて脱水縮合反応を行うと、分子式 C12H15NO3で表されるエス テルJが得られた。化合物F, G, Hはいずれも不斉炭素原子をもたず、化合物1. Jは不斉炭素原子を1つもつ。

問5 アミンFおよび酸ジクロリドGの構造式をそれぞれ記せ。

問6 エステル」の構造式を記せ。ただし、鏡像異性体は区別しない。

大4問問1
1 図1(i)における炭素数が4(すなわちn=2)のアルドースが五員環構造を 形成した場合、五員環構造の異性体の数を記せ。ただし、鏡像異性体は区別す るものとする。

大4問問2
アルドースAの鎖状構造を、図1(iii)の表記法を使って記せ。ただし、-CHOが上となる向きで表記せよ。

大4問問3
二糖であるB, C, Dは、図3の(ア)~(オ)いずれかの構造をもつ。情報 (あ) ~(う) をもとに、二糖B, C, Dとして適切な構造を (ア) ~ (オ) から選び、それぞれ記号で答えよ。

(あ) BおよびDは銀鏡反応を示すが、Cは銀鏡反応を示さない。

(い) CおよびDは、それぞれ2分子のアルドースが脱水縮合した二糖であ る。Bは、1分子のアルドースと1分子のケトースが脱水縮合した二糖である。

(つ) Dを倍成する2種類のアルトースは、C1灰系以外のめる1園所の灰系 に結合する-OHの立体配置が異なっている。

大4問問4
下線部について、グルコースおよびフルクトースが鎖状構造をとることを考 慮して、全ての最終生成物の構造式と、それぞれの最終生成物に対応する物質 量の比を記入例にならって解答欄に記せ。グルコースについては解答欄(I), フ ルクトースについては解答欄(I)に記入せよ。ただし、最終生成物の構造式は、 物質量の比の大きいものから順に記入するものとする。物質量の比が同じ場合 には順序を問わない。

大4問問5 化合物Gの構造式を記せ。

大4問問6 B型の化合物1として考えられる構造式を図5にならって全て記せ。ただ し、炭素原子の位置を示す番号(1)~(6)は省略して記入せよ。
チャプター:

00:00 OP
0:16 大問1
7:30 大問2
13:47 大問3
18:01 大問4

単元: #化学#大学入試過去問(化学)#理科(高校生)#京都大学
指導講師: 篠原好【京大模試全国一位の勉強法】
問題文全文(内容文):
化学問題 I
大1
次の文章(a)、(b)を読み、問1~問6に答えよ。解答はそれぞれ所定の解答欄に記入 せよ。問題文中のLはリットルを表す。原子量は、 H = 1 O = 16 Ca = 40 Cr = 52 Sr = 88 Ba = 137 + 9 。[X]は、物質Xのモル濃度を示し、単位は mol/Lである。

(a) 周期表の2族に属する元素は、すべて金属元素である。2族元素の原子は価電子 を2個もち、価電子を放出して二価の陽イオンになりやすい。これらの単体は、同 じ周期の1族に属する元素の単体に比べて、融点が【ア (高く・低く)】、密度が【 イ( 大きい・小さい)】

2族元素のうち、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、ラジウムは特に性質 がよく似ており、 【ウ】 と呼ばれる。 【ウ】は、イオン化傾向が大きく、 その単体は、常温で水と反応して、気体の 【工 】を発生し、水酸化物になる。

表1は、水酸化カルシウム、水酸化ストロンチウム、水酸化バリウムの、各温度 での水への溶解度を示している。これら3つの水酸化物を温水にいれ、冷却したと きに何が起こるかを見てみよう。なお、この実験において、空気中の二酸化炭素の 水溶液への溶解や、水溶液からの水分の蒸発は無視できるものとする。

大2問問1
0. 10 L の緩衝液(pH 4.0) に n (mol〕の弱酸 HA が溶解した水溶液を分液ろうと に入れ、さらに0.10Lのトルエンを加え、よく振り混ぜたあと300Kで十分な 時間静置した。トルエン層と水層を分離し、トルエン層に移動したHAの物質 量(a[mol])を測定した。その結果から、水層中のHAおよびA¯の総物質量 (b(mol) = n-a)を求めた

大2問問2
水とトルエンはまったく混ざらないものとし、溶質の溶解による溶液の体積変化は無視できるとする。また、トルエン層中ではHAは電離せず、水層中での 会合も起きないとする。さらに、水層中で電離したイオンA-およびH+はトル エン層に移動せず、同様に二量体は水層へ移動しないとする。pH 4.0の水層中 における電離していないHAの濃度を [HA]wとずると、水層中のA-の濃度は [A-]w【ア】 = × [HA]wと表せる。また、トルエン層における単量体として のHAの濃度を [HA]tとすると、二量体(HA)2の濃度は [(HA)²]t= 【イ】 と 表せる。したがって下線部の実験により得られたHAの物質量aとbの比は以下 の式(3)により表せる。

a/b=【ウ】 (3)

電離していない HAの単量体はトルエン層と水層の間を移動する。移動が平衡 に達したとき、両層間の濃度比、すなわち分配係数は定温におい P HA = [HA] t /[HA] w は定温においてて一定となる。PHAを用いて式(3)を整理すると式(4)の関係が得られる。

a/b=0.8PHA+【エ】×KCPHA²[HA]W (4)

水層中のHA およびA-のうち、 【オ】 %がHAとして存在することから、 式(4)は式(5)のように表せる。

a/b= 0.8 PHA +【カ】× KOPHA²b  (5)

大2問問3
様々な物質量のHAに対して下線部の操作を行ったときの、物質量bと物質量比a/bの関係を図2に示した。図中の●は各測定によって得られた実験値 を表す。トルエン層と水層の間におけるHAの分配係数 P HA の値を答えよ。

大2問問4
以下の文章は、下線部の操作を緩衝液の代わりに純水を用いてHAの濃度 を変えた実験について述べたものである。 【キ】~【ケ】に適切な語句を、{ }の中からそれぞれ選択し答えよ。 ~

水層中では、弱酸 HAの濃度増加により、HAの電離度は 【キ (大きくな る・小さくなる・変化しない)】。また、トルエン層中ではHAの濃度増加に より、HAの会合度(トルエン層に溶解したすべての分子 HAの数に対する二 量体を形成した分子HAの数の割合)は、【 ク (大きくなる・小さくなる・ 変化しない)】。したがって、分液操作前のHAの物質量の増加により、 a/bの値は【ケ(大きくなる・小さくなる・変化しない)】

大2問問5
(b) 塩化ナトリウム (NaCl)を純水に溶解し、1.00Lの濃度x (mol/L)の希薄溶液を調製した。図3に示すように、上部が開いた管内部の断面積が4.0cm²のU字管の 底部に水だけを通す半透膜を設置した。大気圧下で、調製した NaCl 水溶液から 100mLを左側の管に、100mLの純水を右側の管に入れた。温度300Kにおいて、 U字管に NaCl 水溶液および純水を入れた直後は、水面の高さは同じであった。そ の後、右の純水側から左の水溶液側に水が流入し、水面の高さが変化し始めた。変 化が止まった際の水面の高さの差は5.0cmであった。そのとき、移動した水の体 積は 【コ】 cmである。ここで、水溶液の密度は純水のそれと等しいとし、高 さ1.0cmの水柱の圧力は100 Paとする。

大2問問7
次の条件のみを変えた場合、水面の高さの差は条件を変える前(5.0cm)と
比べてどのように変化するか、(あ)~(う)から選び、その記号を記入せよ。

(i) 温度を上げた場合

(あ) 短くなる (い) 変化しない (う) 長くなる

(ii) U字管の断面積を大きくした場合

(あ) 短くなる (い) 変化しない (う) 長くなる

(ⅲ) 等量のショ糖を水溶液と純水にそれぞれさらに添加した場合

(あ) 短くなる (い) 変化しない (う) 長くなる

大3問問1
次の文章(a)、(b)を読み、問1~問6に答えよ。解答はそれぞれ所定の解答欄に記入 せよ。構造式は、記入例および図1、図2にならって記せ。

(a) 図1に示すように、テレフタル酸ジクロリドとp-カーフェニレンジアミンを用いた 縮合重合により、強度や耐熱性に優れた合成繊維が得られる。一般にこのような芳 香族ポリアミド系合成繊維は 【ア】繊維と呼ばれ、防弾チョッキや防火服に用 いられている。

テレフタル酸ジクロリドのような、カルボニル基に塩素原子が結合した構造 (-CO-C1)をもつ化合物を酸クロリドと呼ぶ。また、アミノ基(-NH₃)をもつ化 合物を第一級アミンと呼ぶ。酸クロリドは第一級アミンと速やかに反応し、 【イ】 の生成を伴ってアミド結合を形成することから、さまざまな低分子化合 物の合成にも用いられる(図2)。

大3問問2 アミンAおよび酸クロリドDの構造式をそれぞれ記せ。

大3問問3 アミンBとして考えられる構造式をすべて記せ。

大3問問4 アミンCの構造式を記せ。ただし、鏡像異性体は区別しない

(b) 分子内に-CO-C1を2つもつ化合物を酸ジクロリドと呼ぶ。第一級アミンF と酸ジクロリドGを反応させると、アミド結合を2つもち、分子式 C8H16N2O2で 表される化合物Hが得られた。化合物Hを部分的に加水分解することで、アミン Fと、1つのアミド結合と1つのカルボキシ基をもつ化合物が得られた。化合物 「とフェノールを用いて脱水縮合反応を行うと、分子式 C12H15NO3で表されるエス テルJが得られた。化合物F, G, Hはいずれも不斉炭素原子をもたず、化合物1. Jは不斉炭素原子を1つもつ。

問5 アミンFおよび酸ジクロリドGの構造式をそれぞれ記せ。

問6 エステル」の構造式を記せ。ただし、鏡像異性体は区別しない。

大4問問1
1 図1(i)における炭素数が4(すなわちn=2)のアルドースが五員環構造を 形成した場合、五員環構造の異性体の数を記せ。ただし、鏡像異性体は区別す るものとする。

大4問問2
アルドースAの鎖状構造を、図1(iii)の表記法を使って記せ。ただし、-CHOが上となる向きで表記せよ。

大4問問3
二糖であるB, C, Dは、図3の(ア)~(オ)いずれかの構造をもつ。情報 (あ) ~(う) をもとに、二糖B, C, Dとして適切な構造を (ア) ~ (オ) から選び、それぞれ記号で答えよ。

(あ) BおよびDは銀鏡反応を示すが、Cは銀鏡反応を示さない。

(い) CおよびDは、それぞれ2分子のアルドースが脱水縮合した二糖であ る。Bは、1分子のアルドースと1分子のケトースが脱水縮合した二糖である。

(つ) Dを倍成する2種類のアルトースは、C1灰系以外のめる1園所の灰系 に結合する-OHの立体配置が異なっている。

大4問問4
下線部について、グルコースおよびフルクトースが鎖状構造をとることを考 慮して、全ての最終生成物の構造式と、それぞれの最終生成物に対応する物質 量の比を記入例にならって解答欄に記せ。グルコースについては解答欄(I), フ ルクトースについては解答欄(I)に記入せよ。ただし、最終生成物の構造式は、 物質量の比の大きいものから順に記入するものとする。物質量の比が同じ場合 には順序を問わない。

大4問問5 化合物Gの構造式を記せ。

大4問問6 B型の化合物1として考えられる構造式を図5にならって全て記せ。ただ し、炭素原子の位置を示す番号(1)~(6)は省略して記入せよ。
投稿日:2024.02.09

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長時間加熱すると三水和物 $CuSO_4.3H_2O$が得られるが、
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加熱により、一部の水和水を失った試料Aがある。
試料Aの化学式$CuSO_4・xH_2O$における$x$の値を求めるための実験について、次の問い (a・b)に答えよ。
ただし、試料中には$Cu^{2+}, SO_4^{2-}$と水和水以外は含ま れないものとする。

b 試料Aにおける$x$の値は、$SO_4^{2-}$の含有量の代わりに、$Cu^{2+}$ の含有量を用いて求めることもできる。
試料A中の$Cu^{2+}$含有量を調べる2通りの手法として、
次の実験Ⅱおよび実験Ⅲを考えた。

実験Ⅱ $Cu^{2+}$を含む水溶液に、水酸化ナトリウム $NaOH$水溶液を十分に加え、生じる沈殿をすべてろ過により取り出し、十分に加熱して純粋な酸化銅(Ⅱ)$CuO$(式量 80)としてから、その質量を求める。

実験Ⅲ $Cu^{2+}$を含む水溶液を、陽イオン交換樹脂を詰めたカラムに通し、 流出液に含まれる水素イオン$H^{+}$の物質量を、中和滴定により求める。

ある質量の試料Aを溶かした水溶液Bを用意し、その$10mL$を用いて実験Ⅱを行ったところ、質量$w (mg)$の$CuO$が得られた。
また、別の$10mL$ の水溶液Bを用いて実験Ⅲを行ったところ、濃度$c(mol/L)$の$NaOH$水溶液が、中和滴定の終点までに$V (mL)$必要であった。
用いた水溶液B中の$Cu^{2+}$が、実験Ⅱではすべて$CuO$となり、実験Ⅲではすべて陽イオン交換樹脂により$H^{+}$に交換されたものとすると、求められる$Cu^{2+}$の含有量の値は、実験Ⅱと実験Ⅲで同じ値となる。
このとき、$w、c、V$の値の関係はどのような式で表されるか。
最も適当なものを、次の①~⑥のうちから一つ選べ。
①$V=\displaystyle \frac{25w}{c}$
②$V=\displaystyle \frac{25w}{2c}$
③$V=\displaystyle \frac{25w}{4c}$
④$V=\displaystyle \frac{w}{40c}$
⑤$V=\displaystyle \frac{w}{80c}$
⑥$V=\displaystyle \frac{w}{160c}$
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