問題文全文(内容文):
A社はB氏を報酬wで雇っている(wは正の実数)。A社の売り上げはB氏の努力水準に
依存しており、B氏の努力水準が低いとA社の売り上げは200だが、B氏の努力水準が
高い場合、A社の売り上げは70%の確率で500となり、30%の確率で200のままとなる。
そして、このことはB氏も知っている。ただし、B氏は努力水準を高める際に17.5の
苦痛を感じる。そのため、報酬wの下で努力水準を高めると、B氏の実質的な報酬は
w-17.5となってしまう。B氏は完全にテレワークをしており、B氏の努力水準を
A社が直接知ることはできないし、B氏が努力水準を高めるように強制することも
できない。すると であることから、B氏は努力水準を高めないことが
合理的な行動となる。
以下では、不確実性下の意思決定を扱っているが(1),(2),(3)のいずれにおいても、
A社、B氏共に期待値の大小のみに関心があるものと仮定して解答すること。
(1)いま、A社は売上が500になったあときにはB氏の報酬を に引き上げ、200のとき
には に据え置くアイデアを思いついた。B氏が努力水準を高めるには、
である必要がある。
次に、B氏は、A社をやめても他の会社に報酬100で雇われることが可能であるとする。
(2)A社の利潤を売上からB氏への報酬を引いた残りだと単純化すると、 と を適切に
定めることにより、B氏にA社をやめさせず、かつ努力水準を高めさせるためには、
A社の利潤の期待値を 以下とする必要がある。
また、A社の利潤の期待値が最大化された時、 を満たす の値は
以下では、B氏の の値をこの の値をこの とする。
(3)実は、B氏の関心は報酬wそのものではなく、そこから得られる満足と解釈される
であることが分かった。そのため、努力水準を高める際の苦痛17.5もこの値
から差し引かれ、努力水準を高めたときのB氏の満足は となる。
B氏は(実質的な)報酬を最大化する人ではなく、満足を最大化する人だとしたとき、
B氏にA社をやめさせず、かつ努力水準を高めさせえるためには、
2021慶應義塾大学総合政策学部過去問
依存しており、B氏の努力水準が低いとA社の売り上げは200だが、B氏の努力水準が
高い場合、A社の売り上げは70%の確率で500となり、30%の確率で200のままとなる。
そして、このことはB氏も知っている。ただし、B氏は努力水準を高める際に17.5の
苦痛を感じる。そのため、報酬wの下で努力水準を高めると、B氏の実質的な報酬は
w-17.5となってしまう。B氏は完全にテレワークをしており、B氏の努力水準を
A社が直接知ることはできないし、B氏が努力水準を高めるように強制することも
できない。すると
合理的な行動となる。
以下では、不確実性下の意思決定を扱っているが(1),(2),(3)のいずれにおいても、
A社、B氏共に期待値の大小のみに関心があるものと仮定して解答すること。
(1)いま、A社は売上が500になったあときにはB氏の報酬を
には
次に、B氏は、A社をやめても他の会社に報酬100で雇われることが可能であるとする。
(2)A社の利潤を売上からB氏への報酬を引いた残りだと単純化すると、
定めることにより、B氏にA社をやめさせず、かつ努力水準を高めさせるためには、
A社の利潤の期待値を
また、A社の利潤の期待値が最大化された時、
以下では、B氏の
(3)実は、B氏の関心は報酬wそのものではなく、そこから得られる満足と解釈される
から差し引かれ、努力水準を高めたときのB氏の満足は
B氏は(実質的な)報酬を最大化する人ではなく、満足を最大化する人だとしたとき、
B氏にA社をやめさせず、かつ努力水準を高めさせえるためには、
2021慶應義塾大学総合政策学部過去問
単元:
#数A#大学入試過去問(数学)#場合の数と確率#確率#学校別大学入試過去問解説(数学)#慶應義塾大学#数学(高校生)
指導講師:
福田次郎
問題文全文(内容文):
A社はB氏を報酬wで雇っている(wは正の実数)。A社の売り上げはB氏の努力水準に
依存しており、B氏の努力水準が低いとA社の売り上げは200だが、B氏の努力水準が
高い場合、A社の売り上げは70%の確率で500となり、30%の確率で200のままとなる。
そして、このことはB氏も知っている。ただし、B氏は努力水準を高める際に17.5の
苦痛を感じる。そのため、報酬wの下で努力水準を高めると、B氏の実質的な報酬は
w-17.5となってしまう。B氏は完全にテレワークをしており、B氏の努力水準を
A社が直接知ることはできないし、B氏が努力水準を高めるように強制することも
できない。すると であることから、B氏は努力水準を高めないことが
合理的な行動となる。
以下では、不確実性下の意思決定を扱っているが(1),(2),(3)のいずれにおいても、
A社、B氏共に期待値の大小のみに関心があるものと仮定して解答すること。
(1)いま、A社は売上が500になったあときにはB氏の報酬を に引き上げ、200のとき
には に据え置くアイデアを思いついた。B氏が努力水準を高めるには、
である必要がある。
次に、B氏は、A社をやめても他の会社に報酬100で雇われることが可能であるとする。
(2)A社の利潤を売上からB氏への報酬を引いた残りだと単純化すると、 と を適切に
定めることにより、B氏にA社をやめさせず、かつ努力水準を高めさせるためには、
A社の利潤の期待値を 以下とする必要がある。
また、A社の利潤の期待値が最大化された時、 を満たす の値は
以下では、B氏の の値をこの の値をこの とする。
(3)実は、B氏の関心は報酬wそのものではなく、そこから得られる満足と解釈される
であることが分かった。そのため、努力水準を高める際の苦痛17.5もこの値
から差し引かれ、努力水準を高めたときのB氏の満足は となる。
B氏は(実質的な)報酬を最大化する人ではなく、満足を最大化する人だとしたとき、
B氏にA社をやめさせず、かつ努力水準を高めさせえるためには、
2021慶應義塾大学総合政策学部過去問
依存しており、B氏の努力水準が低いとA社の売り上げは200だが、B氏の努力水準が
高い場合、A社の売り上げは70%の確率で500となり、30%の確率で200のままとなる。
そして、このことはB氏も知っている。ただし、B氏は努力水準を高める際に17.5の
苦痛を感じる。そのため、報酬wの下で努力水準を高めると、B氏の実質的な報酬は
w-17.5となってしまう。B氏は完全にテレワークをしており、B氏の努力水準を
A社が直接知ることはできないし、B氏が努力水準を高めるように強制することも
できない。すると
合理的な行動となる。
以下では、不確実性下の意思決定を扱っているが(1),(2),(3)のいずれにおいても、
A社、B氏共に期待値の大小のみに関心があるものと仮定して解答すること。
(1)いま、A社は売上が500になったあときにはB氏の報酬を
には
次に、B氏は、A社をやめても他の会社に報酬100で雇われることが可能であるとする。
(2)A社の利潤を売上からB氏への報酬を引いた残りだと単純化すると、
定めることにより、B氏にA社をやめさせず、かつ努力水準を高めさせるためには、
A社の利潤の期待値を
また、A社の利潤の期待値が最大化された時、
以下では、B氏の
(3)実は、B氏の関心は報酬wそのものではなく、そこから得られる満足と解釈される
から差し引かれ、努力水準を高めたときのB氏の満足は
B氏は(実質的な)報酬を最大化する人ではなく、満足を最大化する人だとしたとき、
B氏にA社をやめさせず、かつ努力水準を高めさせえるためには、
2021慶應義塾大学総合政策学部過去問
投稿日:2021.07.21